解体の流れ

解体工事の全体期間目安

一般的な木造住宅(延床面積30坪程度)の場合、準備期間を含めて約1〜2ヶ月程度が目安となります。ただし、建物の規模や構造、各種手続きの期間、天候などにより変動します。

  • 準備期間(STEP 1〜3):約2〜4週間
  • 解体工事期間(STEP 4〜7):約1〜2週間
  • 完了後手続き(STEP 8):約1週間

解体工事の流れ(全8ステップ)

解体工事の流れ 全8ステップ

解体工事の詳細な流れ

STEP 01
現地調査・見積り・契約

現地調査・見積り・契約

解体工事の第一歩は、信頼できる解体業者への相談から始まります。複数の業者から見積もりを取得し、比較検討することが重要です。

実施内容

  • 解体業者による現地調査(建物の構造、規模、周辺環境の確認)
  • 道路幅や隣家との距離、重機の搬入経路の確認
  • アスベスト含有建材の有無の確認(必要に応じて調査)
  • 見積書の作成(工事範囲、費用内訳、工期の明記)
  • 複数社の見積もりを比較検討
  • 工事請負契約書の締結(契約内容の確認が重要)

期間目安:1〜2週間

注意点:見積書には「工事費」「諸経費」「処分費」などが明確に記載されているか確認しましょう。追加費用が発生しないよう、契約書の内容をしっかりと確認することが大切です。

STEP 02
ライフラインの停止・残置物処分

ライフラインの停止・残置物処分

工事着工前に、電気・ガス・電話・インターネットなどの契約解除・停止手続きを行います。また、建物内の家具や家電などの不用品(残置物)は、原則として着工までに処分を完了させます。

実施内容

  • 電気:電力会社への解約手続き(引越し先への移転手続きも可能)
  • ガス:ガス会社への解約手続き(安全のため必ず停止)
  • 電話・インターネット:各通信会社への解約手続き
  • 水道:解体工事中の散水に使用するため、通常は工事完了後に停止
  • 残置物の処分:家具、家電、日用品などの不用品を処分(業者に依頼する場合は追加費用が発生する場合あり)

期間目安:1〜2週間(各手続きは数日〜1週間程度)

注意点:各ライフラインの停止手続きは、工事開始の1〜2週間前までに完了させておくことが推奨されます。残置物の処分は、業者に依頼する場合と自分で処分する場合で費用が大きく異なるため、事前に確認しましょう。

STEP 03
各種届出・近隣挨拶

各種届出・近隣挨拶

工事規模に応じた「建設リサイクル法」に基づく届出や、道路使用許可などの申請を役所へ行います。また、騒音や振動などでご迷惑をおかけする可能性があるため、着工前に近隣住民の方々へご挨拶と工事概要の説明を行います。

実施内容

  • 建設リサイクル法の届出:延床面積80㎡以上の建物を解体する場合、都道府県知事(または政令市長)への届出が必要
  • 道路使用許可:重機やトラックが道路を使用する場合、警察署への申請が必要
  • 近隣挨拶:工事期間、作業時間、騒音対策などを説明(挨拶状の配布も効果的)
  • その他の届出:地域によっては、環境条例に基づく届出が必要な場合あり

期間目安:1〜2週間(届出の審査期間を含む)

注意点:建設リサイクル法の届出は、工事開始の7日前までに提出する必要があります。届出を怠ると、工事が中断される可能性があるため、解体業者と連携して確実に手続きを行いましょう。近隣挨拶は、トラブルを防ぐために非常に重要です。

STEP 04
足場養生の設置・外構撤去

足場養生の設置・外構撤去

騒音や粉塵の飛散を防ぐため、建物の周囲に足場を組み、防音シート等の養生を設置します。また、作業スペースや重機搬入路を確保するために、必要に応じてブロック塀や庭木、カーポートなどの外構物を先行して撤去します。

実施内容

  • 足場の組み立て:建物の周囲に足場を設置(安全確保と養生のため)
  • 養生シートの設置:防音シート、防塵シートを張り、騒音や粉塵の飛散を防止
  • 外構物の撤去:ブロック塀、コンクリート塀、庭木、カーポート、物置などの撤去
  • 作業スペースの確保:重機の搬入経路と作業スペースを確保
  • 安全対策:作業区域の囲い、看板の設置、安全通路の確保

期間目安:1〜2日

注意点:養生シートの設置は、近隣への配慮として非常に重要です。外構物の撤去は、解体工事の見積もりに含まれているか確認しましょう。庭木の移植を希望する場合は、事前に解体業者に相談してください。

STEP 05
建物内部・屋根の解体

建物内部・屋根の解体

重機を入れる前に、手作業で畳、建具、断熱材、石膏ボード、ガラス、屋根瓦などを撤去します。これらは建設リサイクル法に基づき、品目ごとに分別してリサイクルや適正処理を行う必要があります。

実施内容

  • 内装材の撤去:畳、建具(ドア、障子、ふすま)、クロス、石膏ボードなどの手作業による撤去
  • 設備の撤去:給排水設備、電気配線、エアコン、換気扇などの撤去
  • 屋根の解体:屋根瓦、スレート、金属屋根などの撤去(手作業または小型重機を使用)
  • 分別作業:建設リサイクル法に基づき、コンクリート、木材、アスファルト、金属などに分別
  • アスベスト含有建材の処理:事前調査でアスベストが確認された場合は、特別な処理が必要

期間目安:2〜5日(建物の規模により異なる)

注意点:内装材や設備の撤去は、再利用可能なものがあれば事前に確認しておきましょう。アスベスト含有建材が使用されている場合は、特別な処理が必要となり、費用と工期が増加する可能性があります。

STEP 06
建物本体・基礎の解体

建物本体・基礎の解体

内装の撤去後、重機を使用して建物の躯体(壁・柱・梁)を解体します。粉塵が舞わないよう散水しながら作業を進めます。上物がなくなったら、地中のコンクリート基礎を掘り起こして撤去し、地中埋設物がないかも確認します。

実施内容

  • 建物躯体の解体:重機(バックホー、ユンボなど)を使用して、壁、柱、梁などの構造体を解体
  • 粉塵対策:散水車やスプリンクラーを使用して粉塵の飛散を抑制
  • 基礎の撤去:コンクリート基礎を重機で掘り起こし、撤去
  • 地中埋設物の確認:給排水管、ガス管、電気配線などの地中埋設物の有無を確認
  • 廃材の運搬:解体した廃材をトラックに積み込み、適切な処理場へ運搬

期間目安:3〜7日(建物の規模と構造により異なる)

注意点:重機を使用するため、作業時間は通常平日の8時〜17時頃となります。粉塵対策は近隣への配慮として重要です。基礎の撤去は、次に建物を建てる場合は不要な場合もありますが、その場合は事前に確認が必要です。

STEP 07
整地・完工・引き渡し

整地・完工・引き渡し

解体後の地面を平らに整地し、廃材が残っていないか最終確認を行います。施主様立ち会いのもとで現地確認を行い、問題がなければ工事完了として引き渡しを受けます。

実施内容

  • 整地作業:解体後の地面を平らに整地(重機を使用)
  • 最終確認:廃材やガラス片などが残っていないか確認
  • 足場・養生の撤去:作業に使用した足場や養生シートを撤去
  • 現地確認(引き渡し):施主様立ち会いのもと、工事完了の確認
  • 書類の交付:工事完了証明書、取壊し証明書などの交付

期間目安:1〜2日

注意点:引き渡し時には、現地をしっかりと確認し、問題がないかチェックしましょう。次に建物を建てる場合は、整地の仕上がり具合も確認が必要です。工事完了証明書や取壊し証明書は、後の手続きに必要となるため、大切に保管してください。

STEP 08
建物滅失登記

建物滅失登記

解体工事完了後、1ヶ月以内に法務局へ「建物滅失登記」の申請を行います。これにより登記簿上から建物が存在しなくなったことが記録されます。解体業者から発行される「取壊し証明書」などが申請に必要となります。

実施内容

  • 必要書類の準備:取壊し証明書、登記識別情報(旧・登記済証)、印鑑証明書など
  • 法務局への申請:管轄の法務局(不動産所在地を管轄する法務局)へ申請
  • 登記の完了:申請後、数日〜1週間程度で登記が完了
  • 固定資産税の精算:市区町村の税務課で固定資産税の精算手続き(建物部分の課税が停止)

期間目安:1週間〜1ヶ月(申請から登記完了まで)

注意点:建物滅失登記は、解体工事完了後1ヶ月以内に申請する必要があります。申請を怠ると、固定資産税が引き続き課税される可能性があります。司法書士に依頼することも可能ですが、自分で申請することもできます。

解体工事をスムーズに進めるための注意点

複数社から見積もりを取得

解体工事の費用は、業者によって大きく異なる場合があります。最低3社以上から見積もりを取得し、内容を比較検討することが重要です。安さだけでなく、工事内容やアフターサービスも確認しましょう。

契約書の内容をしっかり確認

契約書には、工事範囲、費用内訳、工期、追加費用の有無などが明確に記載されているか確認しましょう。口頭での約束だけでなく、必ず書面で確認することが大切です。

アスベスト調査を実施

1980年代以前に建てられた建物は、アスベスト含有建材が使用されている可能性があります。アスベストの処理には特別な手続きと費用が必要となるため、事前調査を実施することをお勧めします。

近隣への配慮

解体工事は、騒音や振動、粉塵などで近隣に迷惑をかける可能性があります。事前の挨拶と説明により、トラブルを防ぐことができます。作業時間の調整なども検討しましょう。

残置物の処分方法を確認

建物内の家具や家電などの残置物は、自分で処分するか、業者に依頼するか選択できます。業者に依頼する場合は追加費用が発生するため、事前に確認し、可能なものは自分で処分することを検討しましょう。

各種手続きのスケジュール管理

解体工事には、多くの手続きが必要です。ライフラインの停止、各種届出、登記など、それぞれに期限があるため、スケジュールをしっかりと管理し、遅れないように注意しましょう。

解体工事に関するよくある質問

Q. 解体工事の費用はどのくらいかかりますか?

A. 建物の規模や構造、立地条件などにより異なりますが、一般的な木造住宅(延床面積30坪程度)の場合、50万円〜150万円程度が目安です。ただし、アスベスト含有建材の処理が必要な場合や、特殊な構造の場合は、さらに費用がかかる可能性があります。複数社から見積もりを取得し、比較検討することをお勧めします。

Q. 解体工事に必要な期間はどのくらいですか?

A. 準備期間を含めて、一般的な木造住宅の場合、約1〜2ヶ月程度が目安となります。実際の解体作業期間は1〜2週間程度ですが、各種手続きや準備期間を含めると、もう少し時間がかかります。建物の規模や構造により異なるため、見積もり時に確認しましょう。

Q. 自分で解体することはできますか?

A. 小規模な物置や簡易的な構造物であれば可能な場合もありますが、一般的な住宅の解体は、専門知識と重機が必要なため、専門業者に依頼することをお勧めします。また、建設リサイクル法に基づく適切な処理や、各種届出も必要となるため、専門業者に依頼することが安全で確実です。

Q. アスベストが含まれている場合、どうすればいいですか?

A. アスベスト含有建材が使用されている場合は、特別な処理が必要となります。事前にアスベスト調査を実施し、含有が確認された場合は、都道府県への届出や、特別な処理方法が必要となります。これにより、費用と工期が増加する可能性があります。1980年代以前に建てられた建物は、特に注意が必要です。

Q. 解体後の土地はどうなりますか?

A. 解体後は、整地された更地となります。次に建物を建てる場合は、そのまま建築工事に進むことができます。建物を建てない場合は、更地のまま維持するか、売却するなどの選択肢があります。固定資産税は、建物部分の課税が停止されますが、土地部分の課税は継続されます。

Q. 解体工事中に近隣から苦情が出た場合はどうすればいいですか?

A. 事前の挨拶と説明により、多くのトラブルは防ぐことができます。もし苦情が出た場合は、解体業者と連携して対応しましょう。作業時間の調整や、より丁寧な養生の設置など、可能な範囲で対応することが大切です。近隣との良好な関係を保つことは、スムーズな工事進行のためにも重要です。

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